マンション・ビル経営には納税に関する様々な優遇措置があります。 不動産経営という「事業」を成功させるには、税金に関する知識が必須です。 |
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●税金の話をする前に・・・ | |
土地の価格 | 不動産関連の課税金額を決める際、基準になるのが土地の価格です。 土地の価格には、主に4つの種類があります。いずれもインターネットで各行政から公表されています。 ・公示地価:土地取引の指標とするため、国が毎年1月1日 時点での地価を調査します。 ・基準地価:公示地価を補足する目的で、都道府県が毎年7月 1日時点での地価を調査します。 ・路線価:相続税・贈与税評価の際に用いられ、国税庁が毎年 1月1日時点での地価を調査します。評価額は公示価格の約80 %ですが、土地の形状などにより、多少の補正が必要です。 ・固定資産税評価額:各市町村が3年に一度、その年の1月1日 時点での固定資産の評価を目的に調査するものです。評価額は 概ね公示地価の約70%となっています。 (固定資産税評価額:固定資産課税台帳に登録されている価格) |
●毎年かかる税金 | |
固定資産税 | 毎年1月1日の時点での、その土地・建物それぞれの所有者にかかる税金です。 土地: 固定資産税評価額(公示地価の約70%)× 1.4% 賃貸マンションの場合、1/6に軽減されます。 (敷地を戸数で割った面積が200u以下の場合) (一世帯あたりの面積が200uを超える場合でも1/3に軽減) 建物: 固定資産税評価額(建設費の約60%〜)× 1.4% 新築から5年間は 1/2に減額されます。 (一世帯あたりの床面積が40〜280uで、このうち120uま でが減額対象面積) (3階建て以上の中高層耐火建築物の場合) |
都市計画税 | 都市計画区域内の土地が対象になります。 標準税率: 固定資産税評価額(公示地価の約70%)× 0.3% 賃貸マンションの場合、1/3に軽減されます。 (敷地を戸数で割った面積が200u以下の場合) (一世帯あたりの面積が200uを超える場合は2/3に軽減) (新築建物の都市計画税の減額については、市町村によって扱い が異なることがあります。) |
所得税 | 不動産の賃貸収入や給与所得の合計額にかかる税金です。 超過累進課税方式をとり、所得が多いほど税率も高くなります。 医療費控除や配偶者控除などの所得控除があります。 課税所得金額: 総収入額 − 必要経費 このため、必要経費に該当する部分を増やす事で所得税が軽減されます。 (総収入額:家賃、礼金等) (必要経費:固定資産税、ローン金利、修繕費、減価償却費、 専従者給与等) |
法人税 | 会社を設立した場合には、賃料収入が所得となり、他の所得と合わせて課税されます。 国税は30%(軽減措置有り)、法人地方税、法人事業税を含めた法定実効税率は、多くの企業で約40%前後になります。 |
●その都度(一回のみ)かかる税金 | |
相続税 (貸家建付地) |
預貯金や不動産などの遺産を相続する際、その相続人に対して課されます。土地と建物の課税額は別々に算出します。 土地の相続税評価額 (路線価がある場合)= 路線価 × 面積 × 補正率 (路線価が無い場合)= 固定資産税評価額 × 国税局長が地域ごとに定める倍率 建物の相続税評価額 = 固定資産税評価額 賃貸マンション・テナントビルなどを建てると、その土地は貸家建付地として評価減の対象となり、以下の算式による税額の軽減措置が受けられます。 土地: 相続税評価額 ×(1− 借地権割合:70% × 借家権割合:30%) 建物: 相続税評価額(建設費×約70%)× (1− 借家権割合:30%) (借地権割合は、路線価図上に30〜90%で設定されています) (借家権割合は、大阪国税局管内などの一部の地域では40%が 採用されています) また、建設費としてのローンが残っていれば、その残金が控除され、相続税評価額から差し引くことができます。 この他、200u〜400uの範囲で、「小規模宅地等の評価減の特例」を利用し、さらに評価額を減額することも出来ます。 これらの控除や特例を利用する事で、相続税評価額が 相続税の基礎控除額(5000万円+法定相続人数×1000万円) より低くなれば、相続税はかからないことになります。 |
印紙税 | 売買契約書に印紙を貼って納める国税です。 契約金額によって税額が変わります。 建設工事請負契約書、金融機関との融資契約書、土地建物の売買契約書などに必要になります。 |
不動産取得税 | 土地・建物の取得時に、一度だけかかります。 土地:固定資産税評価額 × 3% 建物(居住用): 固定資産税評価額 × 3% 建物(非居住用): 固定資産税評価額 × 4% (〜平成24年3月31日まで) 新築の建物には、まだ固定資産税評価額がついてないので、構造ごとに予め定められた建築費の目安となる額が基準となります。 新築の場合、不動産取得税は、1戸(40〜240u)あたり1200万円まで控除されるので、ファミリータイプのマンションではほとんど課税されません。 |
登録免許税 | 不動産を取得した時、建物を新築した時に法務局に納めます。 所有権移転登記、所有権保存登記、抵当権設定登記などがあります。 土地:売買による所有権移転登記は, 固定資産税評価額 × 2% 但し、平成23年1月1日現在、緩和措置が設定されています。 ・平成23年3月31日まで 1% ・平成24年3月31日まで 1.3% ・平成25年3月31日まで 1.5% 建物:新築時の所有権保存登記、抵当権設定登記はいずれも、 固定資産税評価額(建設費×約60%〜)× 0.4% また、相続時の移転登記は土地・建物とも0.4%です。 |
消費税 | 仲介手数料、建設工事費用等に5%かかります。 |